2024年は、私が演奏活動させていただいた飛躍の年となりました。
その演奏記録を記念に残します。
きっと、過去一練習時間に費やしたのではないかと思います。
学生時代の私は全く練習量が足りていなかった事を反省すると共に、ピアノに向き合える時間がこんなにも嬉しくて楽しいものなのだと改めてピアノが好きになる再確認の年でもありました。
ピアニストの方は、私の数十倍向き合ってこられたのだと思うと、尊敬でしかありません。。。
今こうして私がピアノに打ち込めるという事は、それだけ人生に余力ができたのだと思います。
22歳で我が子に出逢い、そこからは毎日弾きたい!と決めても、生活の疲れで子と一緒に寝てしまう日々。ピアノを眺め、いつか打ち込むのだ!と後ろ髪を引かれながら子育てに没頭した人生でした。
長女の巣立ちを機に、一気に音楽の世界にのめり込んだ3年前。
そこから、それまでの時間を取り戻すかのようにピアノにお教室運営に、没頭しました。
ピアノを弾いていられる環境が与えられている今が、とっても幸せなのです。
そして、ピアノを弾けることが有難いと思えるようになったのです。
それにはもちろん家族の協力と、お教室で出逢った生徒さんと保護者の皆様のおかげです。
11月23日(土)音の絵コンサートVOL.20賛助出演
畏れ多くも、20年間に渡り毎年講演されてきた、ピアニストの方々による【音の絵コンサート】に賛助出演させていただく運びとなりました。
大変、光栄なお話しを頂きまして、不安より何よりもチャレンジしたい!という思いで、二つ返事で「やってみます!」と。即参加を決めた私がいました。
5月から弾き始め、何度も何度も調整を重ねて仕上げてきたラプソディ・イン・ブルー。
夏の暑さが迫る中、頭がおかしくなる程何度弾いても全く手に馴染まず、間に合わないよりは別の曲にした方が良いのではと真剣に曲変更を思い悩んだ事もありましたが…
結果、チャレンジして良かったと思える程、達成感と充実感に満たされる経験をさせていただきました。
それほど喜怒哀楽も激しく狂気と七変化に富んだ名曲ですが…
背景には、偽記事を見つけてから追い込まれたガーシュウィンが、約1ヶ月弱でオーケストラ譜を書き上げたという伝説のエピソードは有名ですね。
弾いてみて、なるほど、と。
追い詰められた精神状態の閃きから産み出された名曲だからこそ、ものすごいエネルギーが込められているのでしょう。
練習の段階でガーシュウィンの情熱をひしひしと感じ取っていました。
退院後でお腹の力が全く入らないにも関わらず、兎に角ピアノが弾きたい衝動で弾き続けた夏。
決してピアニストのような美しい演奏ではないのだけれど、それ以前に、弾けることの喜びを純粋に感じられたことは幸せな体験でした。
選曲の際、ラプソディ・イン・ブルー以外何も思い付きませんでした。
私にご縁のある曲なのだなと思いました。
確かに弾いてると、細胞から生きるエネルギーが湧き上がってくるのです。
ストリートピアノなど、ピアニストの皆様がこぞって演奏されている理由がとても良くわかりました。
ホールではなく、サロンスタイルで観客との距離が近い演奏会はなかなか経験がありませんでした。
これはこれで別な緊張感で溢れているものです💦
お辞儀で初めて客席を見渡した瞬間、目の前には大人生徒さんの満面な微笑みが。
そして私の母や、遠方から駆けつけてくれた妹の姿。
演奏活動を始めてから出逢った様々な方の笑顔が見えて、もう既に感謝の心でいっぱいに😭
観客の皆様のあたたかいエネルギーを感じ、熱い拍手をいただき、こんなにも拍手って人を感動させる力があるのだということを改めて感じた瞬間でした。
最後のご挨拶の時まで、皆様の拍手があたたかく、人に夢を与えるお仕事って素晴らしいなと実感しました。
それまでの努力や重圧は半端ないですけれどね😅
何より、ピアニストとしてご活躍されている方々の貴重な会話や、アドバイスをいただけたこと、その中に自分も関わらせていただけたことが本当に幸せでした。
冷静に素晴らしい演奏をされる方でも、練習による影の努力は欠かさないですし、どんなプロでも緊張と向き合っている。
まだまだ自分の緊張をコントロール出来ない未熟な私は、演奏中の心境を伺ってみたところ…
「全てを受け入れるの。緊張している自分ごと受け入れてその場に向き合うのよ」と。
実に貴重な体験談を聞かせてくださいました。
それだけで、感無量。。。
お言葉ひとつひとつが有り難く、幸せな時間でした。
このような経験、体験をさせていただけたことに感謝の気持ちで一杯です。。。
これからも皆様のご活躍を心より応援しております☺️
12月15日(日)恩師の発表会出演
年の瀬も迫る中、私のソロ演奏を控えた最後のビッグイベント。
残念ながら、演奏としては大事故となり凹んでおりました。
大好きであたためていた曲であったからこそ、悔しい思いが残る結果となりましたが、今の私に出来る事は全てやり切ったと思います。
曲目は、シューマン=リストの『♪献呈』
シューマンが最愛のクララへ結婚前夜に贈ったとされる歌曲集『ミルテの花』の第一曲目。素晴らしき真愛の曲です。
ただ、20年振りのソロの重圧は凄かった…
これまでずっと合同発表会のため講師演奏はアンサンブルや連弾のみ。
歌う娘の伴奏で毎年舞台経験はしていたものの、これまた別物の緊張感。
ソロはある意味、誰にも迷惑をかける訳ではなく自己責任だから、その面では気は楽。
だけれど、美しい演奏をお届けしたかった…という無念。
不協和音を聴かせてしまった申し訳なさ。
色んな感情を抱いて凹みつつ、過ぎたことは仕方がない、と。
チャレンジした自分を褒めてあげることにしました。よしよし👏
舞台裏にはけた直後「よく持ち直したわね」とあたたかい笑顔の恩師。
終始散々だったのに「咄嗟の機転が効くところはさすが奈奈先生ですね」と。
決してダメ出しせず優しく受けてくださる聖母マリア様のような方…😭✨救われる思いでした。
最後まで諦めないメンタルは、幼少期から培ってきた舞台経験が生きたのかもしれません。
聴きに来てくださった先生方から『あなたが登場した瞬間から涙ぐんでいたのよ』とあたたかいお言葉をいただき、本当にありがたいな、と。
目まぐるしく新たなチャレンジ続きであった2024年。
これまで乗り越えてきた姿をちゃんと見守ってくださる方がいること。幸せだなぁと身に染みました。
失敗も成功も全て肯定して私の生き方を応援してくださる方々に出逢えたことが何よりの財産かなと思います✨
クラシックの舞台とは、お客様を楽しませるライブのように一体感を感じることが難しい場所。
かなり非日常な場面でいかに自己集中できるかが求められます。
幼児さんにはまだわからないと思いますが、レベルが上がって大曲になるほど何ページも暗譜し、何分も弾き続けなければなりません。
ダイレクトにメンタルが音に影響する楽器だと思います。
この重圧に耐えきれず人前での演奏を諦めて消えていく人が多い世界です。
ピアニストに向いていなかったからこそ指導に向き合えた人生なのだからそれはそれに宿命を感じています。
講師になり指導する中で完璧を求め、理想の演奏を知っているからこその恐怖も付きまとうものです。
今40代半ばですが、昔は今のように幼児さんがたくさんチャレンジできるようなコンクールもありませんでした。
楽しい教本もなくバイエル世代で、黒玉の音符だけをひたすら弾きこなす楽しくない練習の日々。
エレクトーン科の先生であったため、クラシックピアノより体からノリを感じられるポピュラーピアノやジャズが好きでした。
当時は子供達が函館で出られるコンクールといえば大手独自のコンクールくらいなもの。
少子高齢化になっての策として子供達が出られるコンクールがどんどん増えてきたのはここ近年の変化です。
中学2年生で突然ピアノの先生になる!と決めてから、ならば実績は積みなさいと人生で初めて参加したのが中3でのカワイコンクール。
高校生からは、コンクールどころではなくひたすら分厚い教本を4.5冊こなし、声楽、エレクトーン、楽典の筆記、ピアノと週4回の習い事を掛け持つ日々。
中学以降は合唱コンクールの伴奏、卒業式の伴奏と、学校のピアノは任されていたけれど、ピアノってメインではなく歌の主役を引き立たせる脇役、という感覚が強かった。
音楽学校では、学内演奏会など卒業演奏はしたけれど、舞台で自分のソロ演奏を見つめる機会なんて滅多にありません。
レッスンは防音の個室。ホールレッスンも無かったし、こんなにもホールで弾くことが難しいだなんて感じたこともありませんでした。
私は性格も縁の下の力持ちタイプで、誰かを輝かせるマネジメントが合っているからと、生徒さんを舞台に立たせる側である講師の道を選んだようなもの。
だからこそ、ピアニストのように自分自身を輝かせる存在には全く興味がなかったのですが…
まさかこの歳で、『ホールで美しい演奏を叶えたい!』とチャレンジすることになるとは全く思ってもみませんでした。
公民館のスタンウェイは函館最古のグランドピアノで、少し触れるとビャンビャン叫ぶ扱いにくいピアノ。
メロディだけを聴かせるのは至難の業でしたが、コンクールにチャレンジする生徒さんの姿に力をいただきながら。
先生も頑張るね✨
こんな私だからこそ、どんなに頑張っても上手くいかない生徒さんの痛みもわかる。誰よりもみんなの気持ちに寄り添える大人でいられるかなと思っています。
経験体験から得た事、感じた事で皆様のお役に立てることをアウトプットしていきます😊
やっぱり、ピアノが好き。
40半ばの私でも、誰でも生涯楽しめるピアノ。長く長く弾き続けてほしいと思います。
これからも共に成長していきましょう💐
因みに、本番直前リハの演奏をInstagramに残しています。
お恥ずかしい限りですが、ご興味がありましたら是非聴いてみてくださいね。
最後に
私はこの歳になって、改めてピアノを愛することができました。
小さな生徒さんを指導する中で、この子のピアノ人生はこれから始まるんだな…と微笑ましく思います。
ずーっと細く永く続けても、途中でスパッと諦めても、それでもその子の中でピアノと関わったことには違いないから、どんな未来でも良いと思っています。
それは、また未来世でいつかピアノと関わる人として生まれ変わるかも知れないから、意味の無い瞬間なんて無いのです。
もしかしたらピアニストを目指していたら、責任と重圧で大嫌いになっていたかも知れません。
ただ、私のような人もいるんだよと、こんな人生もあるんだよと、私が生きた背中を見せられたらいいなと思いながら道を進んでいます。
ピアニストでは無いけれど、ピアノが好きでいられることが何よりの財産であると私は思います。
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