何が違う?電子ピアノと生ピアノ

私が保護者の皆様から良く受けるご質問をまとめてみました✨

電子と何がどう違うのか?

このようなご質問は、体験レッスンやご入会時が特に多いかも知れません。

折角買うのだから気になるのも当たり前。

むしろ、知識として認識していてほしい!という願いを込めてお伝えしたいと思いました。

ピアノを相棒にしている子ども達だけでなく、楽器を保有するご家族の方にも、このブログが皆様の一助になりますように…

電子ピアノと生ピアノの違いは何?

グランドピアノとは生ピアノとも呼び、アコースティックピアノという弦打楽器のことですね。

電子ピアノと生ピアノって同じピアノでしょう?とお思いでしょうか。

いいえ。答えとしては、全くの別物です。

見た目は似てる。でも中身は全く違いますよ。

当たり前ですが弾き方も変わります。

アコースティックピアノは、弦をハンマーで叩くことで音を鳴らす楽器。

私達が鍵盤を押すと、テコの原理でハンマーが弦を叩く仕組みです。その反動で、弦を抑えていたダンパーが上がり、外れたことによって音が鳴ります。要は弦が解放されたことにより響いた音色です。

それは面白いことに、鍵盤を押した人の手の厚み、体の大きさ、体重、速度、鍵盤の位置、深さ、浅さ、指の方向など物理的な理由により響く音が千差万別なものになります。

ここが弦の素晴らしさ✨

すごくないですか??

その人にしか奏でられない音色。唯一無二のとなるのです。

ここがピアノ愛好家が永遠に魅了される大きな理由かと思います✨

じゃあ、電子ピアノはどうなの??

一方、電子ピアノは家電です。

電源プラグから電気を流しスイッチを入れて使用します。

もちろん、電気が無ければ使えませんし、家電は消耗品です。

弦のように調律はありませんが、故障などのトラブルもあり、代々受け継いでいくものでは無いと思います。

近年の電子ピアノは倍音が内蔵されており、優れた音色が楽しめます。

ただ、誰が鳴らしても全く同じ音色です。

そこに面白みを感じるでしょうか?

弦は、タッチの仕方で七変化させることができ、一台でオーケストラを奏でられる奥が深い楽器です。

この弾き方はこんな音が出るんだ!じゃあこう弾いたらどうなる?と、自分の耳を育てながら、いつも新たな発見と気付きを繰り返し実験していく作業

一曲を仕上げるというのは、そのひとつひとつの細かな手作り作業が創り上げた芸術だと思っています。

手作りの芸術なんですね

そうそう、グランドピアノ本体も全て木で造られたものなのですよ✨

私が音楽学園で学んだ静岡県浜松市。その同県内磐田市には、竜洋工場という大きなピアノ製造工場があり、小さなパーツから完成されるまでの工程を見学できる貴重な場所があります。

浜松には楽器通りという道路や、鍵盤が描かれた路面など、ここから楽器達が世界に産み出されている感動を味わうことが出来ました。

時が経っても、当時目の当たりにした匠の技の衝撃を今でも覚えており、そのような経験体験が出来たことは幸運だったなと感じています。

アコースティックピアノが高価な財産になる事は、当たり前。

原型を知る事で、より大切に感じられるのかもしれません。

是非、お子様と一緒に動画で体感したり、一度見学に立ち寄ってみる事をお勧めします✨

実は私も2年前、追加でKAWAIのポータブルピアノFiro120を買いました。

これは、出張レッスンのため、なるべく軽く、タッチはグランドに近いものをと選び抜いた結果です。

こんなにコンパクトでありながら、さすがはKAWAIさん。グランドと同じハンマーアクション構造にこだわり、そっくりそのまま内蔵されているのだそうです。

ポータブルなのに…そのこだわりに脱帽です‼️

今や世界に認められ、ピアノ愛好家がこぞって弾きたがるグランドピアノ『Shigeru Kawai』ですが、そのSK-EXの音色も再現。まるで自分がその音色を作り出したかのように豊かな演奏ができ、とっても耳が幸せです☺️

テンポやリズムや選べてBluetooth付き。素晴らしい。

指練習には充分かも知れません。

弾き比べた感想教えて!

同じ曲でよく弾き比べをします。

自宅に置くならボックス型を選びますから、あくまでもポータブル電子の感想をお伝えします。

正直、できることであれば電子では弾きたくないと感じるくらい、やはり生の弦楽器とは全くの別物だと実感しています…ごめんなさい、当たり前か…

鍵盤がプラスチックという感覚も、立ち上がりの重さも、グランドピアノにはまだまだ遠い。

同音の打鍵スピードや、トリルを習得させるには腕に余計な力が入るだろうと想像します…

初めて挑む子供達には酷…😂

それでも、電子の中では、かなり評判の高い商品であります。

進化し続けている電子ピアノではありますが、まだまだハンマーアクションではない電子ピアノもたくさんありますので、しっかりと見極める力を養ってください。

ピアノを習うために楽器は必要か?

よく体験レッスンで聞かれるご質問の一つです。

「楽器は必要ですよね?」

私は、もちろん必要です、とお答えしています。

習い始めでおもちゃの鍵盤しか持っていないというご家庭は、紙鍵盤でも良いので用意なさった方が賢明でしょう。

Amazonなどでも購入できます♪

しかしながら、実際の打鍵の指の感覚も掴めなければ、自分の音色を確認することもできないため、当然ながら【テクニック】も【耳】も育てていくことはできません…

また、私は教本2冊から各2曲ずつ宿題を出します。

一曲が進むごとに、どんどん次の新しい音が追加され、両手10本の中から動かす指が一曲毎に増えていきます。

一曲目からある程度のスピード感で止まらないで演奏するのですが、楽器無しで上達できるでしょうか?

習い初めが何より一番、本人もご家族もやる気が備わっている時

私はそのプラスのエネルギーを無駄にしたくはないなと思っています。

子供の柔軟性ってすごいです。

初めから多くの練習曲を与えていると、ピアノの練習ってこんなものなのだと思うのです。

自主練を習慣にして身に付いた子は、ご家族がヤキモキしなくとも自ら取り組むので負担がなく後々ご家族の方が楽になりますよ☺️

わたし
わたし

複数の曲を宿題にするには【ねらい】があります!

苦手で辞めてしまう原因のひとつである【譜読みのチカラ】を高めるには、簡単で短い楽曲をたくさんこなすことが確実だからです✨

愛のムチとでもいうのでしょうか。

それが後々本人のためになることだからです。

はじめからできないだろう、かわいそう、などと悲観的に構えていては、結局後々譜読みで苦労する事になるからです。

そちらの方が私は気の毒に感じます…

苦痛に感じては何も楽しめません。

この初期に軌道に乗れない子は、どんどんモチベが下がり、自己肯定感が低いまま、自信や達成感が味わいにくいスタートとなりますので本人のためにもお勧めはできません。

もしも楽器購入で悩まれている方はどうぞお気軽にご相談ください✨

体験レッスン時に相談されていく方も多いです☺️

お近くのショップや、購入のツールもご紹介できます。

もちろん、ネットとの価格も見合わせ、お好きな方法でじっくりご家族と話し合われた方が賢明です。環境や予算も考慮した上で、ご納得される事が一番だと考えています。

楽器も大切なご縁です✨

私へのお気遣いは不要ですので、気兼ねなくご相談いただければ幸いです。

電子を選ぶ際の条件とは

生ピアノを愛する私から、電子を選ぶときにここだけは外せない!という条件を共有させていただきたいと思います。

これは必須!

❶安定感重視のボックスタイプであること

❷本体自体にペダルが内蔵されているもの

❸鍵盤数が88鍵あるもの

❹鍵盤が木製で出来ているもの

❺ハンマーアクションのもの

❺倍音が内蔵されているもの

それでは、詳細をお話しします。

❶安定感重視のボックスタイプ

便利な鍵盤本体のみのポータブルもありますが、私のように出張レッスンする方でなければ、重たいものをわざわざ頻繁に持ち出す事はないと思います。

しっかりと自宅に置けて安定感のあるボックスタイプをご検討ください。

弾いているうちにゆらゆらされては全く演奏に集中できませんのでご注意を。。。

❷ペダル内蔵型

❶のようにポータブルですとコードタイプの後付けペダルが付属してきますが、ON↔︎OF機能しかないですし、ズレるのでテープの固定が必要です。日々の練習には全くおすすめできません。

幼児期から完成度を求めてペダルを使う子もいます。

曲を豊かに表現する必須アイテムと言えます。

❸鍵盤数88鍵

軽く持ち運びしやすいもので66鍵タイプもありますのでご注意ください。

すぐに足りなくなり、初歩的な曲しか対応できません。

❹木製鍵盤

プラスチックタイプもあります。そちらの方がもちろん安価ですが滑ります。

木製をおすすめする理由は、大切な指先の感覚を養うためと、知らずうちに出ている手の汗を調整してくれるからです。

つい値段だけで判断しがちですが、それは得策ではありません。

演奏者は指先の感覚が命です。

プラスチックの軽いパカパカ感と、木製の安定した重みは全然違います。是非ショップに立ち寄り、違いを触れてみてください。

❺ハンマーアクション

上記でお話の通り、テコの原理でシーソー型に弦を鳴らす構造のことです。

目には見えない所にこそ意識を掛けるべき✨

タッチを学ぶには外せない条件だと思います。

❻倍音内蔵

簡単に言えば倍音とは、ひとつの音に対して同時に高低に響く周波数のことです。

ピアノの弦は一本に対して、その音のみ響くのではなく、同時に幾つかの音が混在して響いています。

昔の古い電子ピアノはこの倍音が含まれておりません。ですから非常に簡素で機械的な音に聴こえるのです。一方、近年の電子ピアノには、この倍音がほぼ内蔵されています。

ですからグランドピアノを弾いているかのような豊かな演奏が叶うのです。

練習していて、自分て上手いじゃん!て思えたら練習も楽しいと思いませんか?また、それを日々聴く家族にとっても、より美しい音色を聴いていたいと思いませんか?

安いとつい手が伸びてしまうかも知れませんが、どうぞこだわりを求めてみてください。

わたし
わたし

生ピアノで防音したい方にお勧めの方法があります

生ピアノでも防音対策出来る方法があります!

壁付けアップライトピアノに消音機能を後付けする方法です☝️

今は、ブルートゥース機能が内蔵されているスピーカータイプの消音機能があります。

まるで音楽を聴くように響くので、防音対策はバッチリ。

電子のような機械音になる事無くスピーカーで弦の音色を楽しめるとのことで好評です✨

また、少し空間に余力のあるお部屋には、ミニグランドピアノが人気のようです。

最近の電子ピアノは研究に研究を重ね実に進化しており、あのCASIOから、ドイツメーカーベヒシュタインとのコラボ電子ピアノを発売したことで話題です。弾いてみたいな〜♪

しかしながらカワイユーザーである私の視点から、グランドのあのハンマー仕様を短い電子ピアノの幅に収めようと四苦八苦されるKAWAIさんのその情熱には頭が上がりません。そして、グランドピアノの鍵盤タッチまでそっくりそのままにできないかと研究し続けていらっしゃいます。

また、最近のKAWAIの電子は、消音の時に出るカタカタ音が最小限に抑えられていてお勧めです。

このカタカタ音は意外と響くもので、周りへの騒音問題のひとつでもあります。

周りへの配慮まで忘れない姿勢はお見事ですね。

電子ピアノ練習時のお願い

練習時のボリュームは、必ず最大音量で弾かせてあげてください!

これは、私がよく実際に保護者の方の前で実演して聴いていただくのですが、皆様「なるほど!全然違いますね!」とご納得して帰られます☺️

例えば、ドレミファソ↑とクレッシェンドの課題を与えられたとして。

家族の迷惑にならぬようにと最小音量で弾いてみてください。

気持ちも盛り上がらないですし、残念ながら全く変化が無いはずです…

では、最大音量で音を飛ばすように思いっきりクレッシェンドで弾いてみてください。

音色の変化を感じたはずです。(機種により差があります)

電子ピアノで演奏する事って、それでさえ全く音色の変化が無い世界なのです。

誰が弾いても同じ倍音で作られた音ですから。

クレッシェンドの胸の高鳴りも、デクレッシェンドの切なさも。何も変化を感じない世界にいる状態にはどうぞしないであげてください…

生の弦にはボリューム機能はございません。

ボリュームは大で弾ける生活の工夫をなさってください。私からのお願いです。

わたし
わたし

もうひとつ気をつけて欲しいことがあります!

ピアノ学習者が必ず通る道。

それは、ペダルの習得!

当教室は2歳での鍵盤導入を実施しているため、演奏の完成度を求めて幼少期からペダルを使う場合も多々ありますが…

電子ピアノのペダルに、補助ペダルを付けると壊れるようです。。。

身長を補うためのアシストペダルを直にセットしてしまうと、電子ピアノのペダル自体が壊れるそうなのでお気をつけください💦

大体足がペダルに届くのは小学校4、5年生かと思いますのでそれまで待つか、ペダル付き足台をご用意なさると良いかと思います。

ご参考までに🍀

自分の楽器はどっち?

よくレッスンの中で電子ピアノ所有の生徒さんとお話ししていると、「家にあるのは本物のピアノだよ!」と信じきっている子がおります。

本物じゃないことを伝えるのですが、なかなかピンときていません💧

家族が『ピアノ』と呼んでいるからそれは本物だと信じて疑わないのでしょう。

そもそも、電化製品と弦楽器は違うものであること。

そして、その違いをしっかり把握できる子には育っていて欲しいなと思います。

在籍が長い生徒さんは、幼児期から判別出来ている子が殆どですが…

過去に、高校生になっても、自分が弾いているのがどちらなのか理解していない子がいた事を思い出しました。かなり驚きましたが、気付かせられなかった当時の私の落ち度であったと今も反省しています。

現在のレッスンでは、幼児さんのうちから舞台で豊かな音を響かせる脱力法を指導しています。

実際、グランドピアノでしか出来ない奏法もありますから、私の与えた宿題が家では叶わず、混乱してピアノが嫌になってしまわぬよう、電子の生徒さんには「これはグランドピアノの弾き方だから家で出来なくても大丈夫だよ」と楽器の違いを伝え、本人のせいではない事を伝えるようにしています。

楽器の違いを本人が理解出来ているだけで、無駄に自分を責めたり、自己肯定感を下げることなく、楽器の違いを受け入れた練習法で向き合えるようになるからです。

指導者として、弦楽器本来の魅力を最大限に伝えていくことが使命だと感じています。

まずは自分の所有楽器がどっちなのか?を本人が理解することが第一歩。

もちろん、私自身は一人一人の所有楽器を把握した上で課題と向き合っていますが、発表会などの舞台では如実に差が出ますので、家ではグランドピアノの弾き方で練習するよう伝えています。

幼児さんでも丁寧にお話しをすると、ちゃんと理解できます。

ホールの音色を体験したければ、会場を借りることもお勧めです✨

ご家庭でも是非、音色の違いをお話ししてみてくださいね。

私が初めて出合ったピアノ

4歳でカワイのリトミックコースに入ったことが私の音楽人生の始まりでした。

習い始めて浅く、ピアノの事は無知であった私。

そこに突然、黒くて大きなアップライトピアノが届いた光景を今でも思い出します。

決して裕福ではなく2LDKの狭いアパートに4人家族。ピアノを置いたらより狭く、ギューギューに敷いた布団3枚に4人、川の字で寝ていました。

嬉しくて仕方がなく、良くお友達を家に呼んでは弾き遊びしていたことを覚えています。

当時の会話など覚えていませんが、おそらく、『本当にピアノやるの?』『やる!!』みたいな意志確認を経て購入に至ったのだとは思いますが…今思うと、親としては相当な覚悟で購入を決めてくれたのだなと思うのです。

幼稚園児の根拠のない好奇心に賭けてくれた訳ですから。

頭が上がりません。

板金塗装の技術職で職人気質の厳しい父でしたが、当時はまだ雇われで月給の時代でしたから、さほど貯金があった訳でもないだろうと思うのです。

振り返ると、初めから生ピアノがいつも側にあった人生だったのだと、両親に心から感謝しています。

母の意識の高さが伺え、そこが幼い私は苦手な部分でありましたが、そのお陰でもあります。

元々母もカワイの生徒であった過去があり、初めて門を叩いた教室が、近くにあったKAWAI教室であったこと。これも今の私の宿命に繋がっている事を感じます。

私よりもクラシックコンサートが好きで、まだ何も興味のなかった私をよく連れて行ってくれた音楽好きの母でした。

どうせ幼児だからわからないのでは?

そんなことはありません。

耳が作られる適齢期はなんと2歳ですから。

そして耳の発達は8歳で完了してしまうのです。

その黄金期を共に過ごす楽器で、耳の格差が出てくるのは頷けること。

子ども達はご家庭、そしてご家族の影響を一番に受けています。

大人がまず、楽器の本質を知る。

子供はその時わからなくても、ちゃんと成長と共に必ず理解します。

当時の家族の心情まで読み解く時がきます。

我が子へ注いだ無償の愛はいつか別な形となり必ず還ってきます💐

電子ピアノで育つとどうなるか

一言で言えば…

電子ピアノは上手になります!

自宅の電子ピアノは慣れるでしょう。

その分、レッスン室で弾くと上手く弾けない…発表会など公の舞台でも実力を発揮できない…と本人がピアノに対する苦手意識を感じ始め、ネックになるかもしれません。

上記でお話ししたように、指や腕をどう使ったら弦がどう響く?と、まるで実験を繰り返して創り上げる作業が演奏です。

ピアノを弾く演奏者って、技術者だと思っています。

弦から紡がれる自分の創り出した音を楽しむ世界です。

最近の電子の性能はお見事だと思いますが、弾いていると知らず知らず無駄な力を使っているのがわかります。私は長時間電子で弾くと疲れますし、音色が一緒で面白みを感じなくなり、すぐ飽きます…

確実な差が見えるのは【無駄な力】です。

弦は脱力で鳴らすことに対し、力任せに弾いてしまうのが電子ピアノ育ちの子という傾向にあります。

電子ピアノには音量に限りがありますから、フォルテが出てくれないストレスで鍵盤を叩いて鳴らそうとするのです。

まだ柔らかい指で頑張って強い音を出そうとすると、手首を縦にブンブン振って下げる癖がつきます。

弦では、手首を下げると物理的に音が真下に向かい、遠くまで伸びる豊かな音が響きません。

それは、残念ながらホールで聴くとただただうるさい演奏になってしまうのです…😢

無駄な力が入ったまま弾く癖がついてしまうこと。これは高学年になるほど、本人がどう力を抜いて良いものかわからずに苦しみます。

グランドピアノはフォルテこそ脱力した腕の重みを掛けないと鳴らせません。

人間は賢い生き物が故、一度覚えた癖を直すには倍の年月がかかるといいます。

私はアップライトピアノで育ち、中学3年で初めてコンクールに挑戦するにあたり両親に頭を下げた結果、グランドピアノに買い替えてくれました。

その時の興奮と、感動は忘れません✨

そして、もっと早くに出合っていれば…!!と同時に強く後悔したものです。

弾いても弾いても何でこれ以上音が出せないの?!
なんで腕がつるの??手首が痛くなるの??💦

そんな悩みが全て解決したからです。

出したい音が出せる!ボリュームが出る!力なんて要らなかったんだ!という喜び。

トリルも速いパッセージも指が動く!本当はめっちゃ上手いじゃん私!ってなります✨

アップライトピアノで育ったにも関わらず、グランドを弾いた瞬間、こうなるのです。

そう。実はアップライトピアノとグランドでは音の響かせ方が真逆の作りになっているのです…。

当時の私は知る由もありません。

⇩下記にイラスト付きで解説してみました。

グランドは、下からハンマーで叩くが故、強く弾くほど打弦後はハンマーが弦から離れます。弱く弾くほど弦に限りなく近い位置で止まります。

この振り幅の大きさが【音色の変化】です!

ここを指先で操れるから人の心を動かす多彩な音を楽しめるのです♪

一方でアップライトは壁付けのため、弦が途中で曲がり上に向かって伸びています。

ハンマーが縦になる事で、打弦後のハンマー位置の幅がどちらも広いまま止まります。強く弾くほど弦に近くなり、弱く弾くほど弦から更に離れますが、いくら頑張って弾いてもグランド程の変化は見られませんここがグランドと真逆になる物理的な違いとなる訳です。

打弦後の位置に余り変化がない事が、アップライトの音色の幅が少ない理由なのです。

同じ弦楽器でも、弦の構造で全く弾き方は変わってしまう事に気がついたのです…

もちろん、グランドピアノに替えてからも、さらにそこから慣れることに苦労しました。

お恥ずかしながらこれは学園時代の卒業演奏の私。

有り難くもピアノ科1日目のトリを務めさせていただきましたが、まだまだ体の使い方が分かっておらず、一生懸命腕の力だけでフォルテを出そう!と肩の力が入っています。トホホ…

この時はまだ脱力の意味を体が理解できていませんでした。

脱力って何??脱力したら弾けないじゃん!!

わかるわかる。

40過ぎたら体感できるようになるよ、と当時の私を慰めてあげたい。

必死にもがいていたなーと振り返ります…😌

昔って脱力の物理的な方法を教えてくれる先生っていませんでした。

幼少期から脱力法を学べる生徒さん達、幸せだな〜と思います。

遠回りしなくていいのだから☝️

母からは、前と弾き方が変わったし、とってもいい演奏になったねと言われましたが、自分の中で納得できないまま卒業。

実際の所、グランドピアノに出合ってからが私のピアノ人生のスタートだといっても過言ではありません。

私の能力不足ではありますが…気の毒ながら電子ピアノではより遠回りになることでしょう…

電子ピアノでは大きなハンディーキャップがあるということをご家族が理解してあげることで、お子様の気持ちが大きく救われるのではないかと思います。

それだけ、相棒とする楽器の影響はかなり大きいです。

子供達は無知ですから、電子ピアノでは上手く弾けないこともあるんだよと、フォローしてあげる大人の存在が大切です。

舞台本番前には、スタジオやホールを借りて、是非違いを体感させてあげてください。

椅子は正規のものを

椅子を簡易的なものにすると、姿勢が作られずいい演奏が出来なくなります。

元々、子供たちは体幹が無い子が多く、猫背になりがち。

レッスンの度に、足の踵は付いてる?脇は開いてる?おじいちゃんになってない?としつこく毎回チェックします。

毎回同じ事を伝えるのは疲れますが、忘れやすい子供たちには、意識を向けさせてあげる大人の配慮が必要なのです。

ふわっと手を鍵盤に乗せた時に肘が90度弱開いている状態がベスト!

私は以前、良かれと思って折り畳みでふかふか座面の椅子を購入しました。

これが大失敗。ガタついて安定性がないから、演奏に集中できないのです。

また、フカフカ過ぎてもお尻がどんどん落ちていくから集中できない。。。

やはりピアノ専用の椅子をご用意なさってください。

子供の身長ってふとした時に伸びていませんか?

「あれ?身長伸びた?」ってよく生徒さんに確認します。

「この間測った〜〇〇センチだったよ」なんて何気ない会話をしながら、私は足台と椅子の高さのバランスをどうしよう?と実は計算しているのです。

椅子の高さ一目盛り。足台の少しのセッティングミス。それだけで発表会で弾きにくかった嫌な記憶が幼少期の経験として残っているからです。

たかが椅子ですが、されど椅子です。

一人舞台で焦ることのないよう、是非正規のものをお薦め致します。

練習しない子への対処法

練習しない子に大変お勧めの方法をご紹介します。

必見!!

⭐︎鍵盤の蓋は常にあけておく

⭐︎嫌でもピアノが目に入る場所に配置する

⭐︎楽譜を常に置いておく

⭐︎本人が座るだけの状態に椅子も足台もキープしておく

⭐︎ピアノの音が聴こえてきたらとにかく褒める

順調に上手になっている子は、ご家族のサポートがお上手だなと感じます。

どうぞ、ピアノの音が聴けて嬉しいことを伝えてあげてください。

きっとピアノが嫌になる事は無いはずです。

是非、お試しくださいね😊

最後に

レベルや進度に応じて相棒も変わっていくもの。

楽器もご縁ですから、焦らずいつもあたたかく見守り、一緒に成長を楽しまれてください。

お子様にとってご家族の愛が何よりの栄養です💐

レッスンでは、電子の子でも格差が出ないよう、舞台で豊かに響く脱力法を指導しております。

私でお役に立てる事がございましたら気兼ねなくご相談ください☺️

コメント

タイトルとURLをコピーしました